1490年代半ば
41〜44歳

リッタの聖母

画家 レオナルド・ダ・ヴィンチ
The Litta Madonna / エルミタージュ美術館
エルミタージュに来た経緯けいいが変わっている。リッタ伯という人物が、一族の画廊を手放したいと言ってきた。送られてきた目録は44点。館長はみずからミラノへ出向き、そこから10万フランで4点だけを抜いた。いちばん値打ちがあるとされたのが、この絵である。1865年1月12日に買われた。いま呼ばれている名は、その持ち主の家から来ている。

何が描かれているか

聖母が幼子おさなごに乳を与えている。子は母の胸に抱かれながら、顔だけをこちらへ向けている。
背後に窓が2つ、左右対称に開いている。その向こうに山の風景が、果てしなく続く。エルミタージュ美術館は、この眺めが「創造されたものすべての調和と広がり」を思わせる、と書いている。

作品の見どころ

美術館は、この絵を新しい時代の到来を告げた作品のひとつだとする。のちに期ルネサンスと呼ばれることになる時代である。
主題そのものは古い。授乳する聖母は、何百年も描かれてきた型だ。美術館の言い方はこうである。「子に乳を与える美しい女性は、母であることと母の愛の、そのものであるように見える。人間にとっておそらく最も大きな価値として受け止められてきたものの」。神の像としてではなく、母の像として見られている。

制作背景

美術館は、この絵が「画家が1482年に移り住んだミラノで作られたと思われる」と、推測の形で書いている。館が示している制作年は1490年代の半ばである。
ルーヴル美術館に、この絵のための下絵の素描そびょうが残っている。板に描かれていた絵は、後にカンヴァスへ移し替えられた。

作品情報

寸法
42 × 33 cm
材質・技法
カンヴァスにテンペラ(板から移し替え)
所蔵
エルミタージュ美術館(サンクトペテルブルク)
目録
ГЭ-249
ほか
弟子の作とする説があるが、館はレオナルド作として掲げている

出典・画像について

画像:レオナルド・ダ・ヴィンチリッタの聖母》/作品:レオナルド・ダ・ヴィンチへの帰属に議論あり/画像:Wikimedia Commons(Hermitage Torrent由来のスキャン)
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / PD-Art(画像情報:2026-09-04 確認)
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