何が描かれているか
一本のアスパラガスが、明るい台の上に横たわっています。先端には紫がかった色があり、白い軸は右へ伸びています。周囲には食器も手もなく、台と野菜の小さな影だけが見えます。大きな食卓を描く静物画ではなく、一つの物を近くから見る絵です。画面の右上にはマネの署名があり、物の小ささと絵の小ささが対応しています。
作品の見どころ
白い軸は背景の白と同じに見えそうですが、灰色や淡い紫、影の違いで形が分かれます。台にも薄い色の流れがあり、単なる空白ではありません。暗い先端から明るい軸へ目を動かすと、輪郭を細い線で囲まず、色の差で一本を見せていることが分かります。小さな絵でも、拡大して筆の跡を見ると、白の中に複数の色を見つけられます。
制作背景
1880年、収集家シャルル・エフリュッシは、800フランのアスパラガスの束の絵に1000フランを払いました。マネは多く受け取った代金への返礼として、この一本を描いて贈ったと伝えられています。束の絵とは別の作品で、現在はオルセー美術館に所蔵されています。静物画が人のやり取りにも結びつく、具体的な例です。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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