何が描かれているか
波立つ海の向こうで、二隻の軍艦が戦っています。船の周りには白い煙が広がり、手前には帆を上げた小舟がいます。画面の大半を海が占め、戦う人の表情や甲板上の動きは細かく描かれていません。題材は南北戦争中の海戦ですが、陸の戦争画のように人物を中心へ集めず、水面越しに遠くの出来事を見る構成になっています。
作品の見どころ
青や緑の波が斜めに重なり、その筆の動きと船の小ささが海の大きさを伝えます。白い煙は軍艦の輪郭を隠し、勝敗を一目で説明する標識にはなっていません。手前の舟から奥の軍艦へ視線を移すと、近い日常と遠い戦闘が一つの海に同居していることが分かります。水平線だけでなく、波の方向も見比べたいところです。
制作背景
1864年6月19日、フランスのシェルブール沖で、北軍のキアサージ号と南軍のアラバマ号が戦いました。マネはこの同時代の事件に関心を寄せ、同年に絵を制作しています。実際の海戦をその場で写した記録としては扱えません。政治や戦争も現代の題材とした姿勢を示す作品で、フィラデルフィア美術館に所蔵されています。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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