何が描かれているか
小舟で白い服と帽子の男性が舵を取り、青い服の女性が低く身を預ける。帆と水面が画面の端で大きく切れる。
水面は広い青の面となり、岸辺や遠景をほとんど見せない。男性の上半身と帆柱は縦に立ち、低く座る女性と舟の横方向を押さえるため、切り取られた構図でも安定する。二人の視線は交わらず、近い舟の中にもそれぞれ別の時間が流れているように見える。
作品の見どころ
高い位置から舟を見下ろす構図と、画面端で切れる帆が、日本の版画を思わせる大胆な平面を作る。
白、青、茶の限られた色で、日差しと水上の近さを伝える。水面の青には短い筆触と明るい線が重なり、広い一色の面の中へ光と揺れを作っている。
制作背景
1874年、パリ郊外のセーヌ川で制作した時期の作品。印象派の画家たちとの交流から、戸外の明るい色を強く取り入れた。
現在はメトロポリタン美術館所蔵。ただし即興だけでなく、人物と舟の形を大きく整理した構成を見る。戸外の光を取り入れた作品でも、見た瞬間をそのまま写したと考えず、大きな形へ整理した構成を合わせて見る。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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