バリケードの傍の死者を描いた、コミューンに関わる版画。
何が描かれているか
街路をふさぐためのバリケードの前に、男性が倒れています。背後には街路や建物が見え、右端には別の人の脚が入り込んでいます。男性は市民が担う国民衛兵で、1871年の自治政府パリ・コミューンの鎮圧に関わる場面です。街の中心に残された死者を、黒い線と濃淡によって見せる版画で、油彩の戦争画とは違う表情があります。
作品の見どころ
手前の身体を濃く描き、奥の街を細い線や薄い調子にすることで、視線が倒れた人へ戻ります。輪郭を整えた細密な描写より、重なった黒い筆致が地面や瓦礫の荒さを伝えます。横たわる身体の構成は《死せる闘牛士》と比べられます。ただし、闘牛の個人の死と、都市の政治的な暴力は別の主題で、同じ場面として読んではいけません。
制作背景
技法はリトグラフで、油分を含む材料で描いた像を紙へ刷る方法です。掲載するのはワシントン所蔵の、薄紙を台紙に貼った刷りです。所蔵館の制作年と版の記年は1871年ですが、刊行は1874年で、出来事の年と配布された年が異なります。別の美術館にも同じ主題の刷りがあり、それぞれの寸法や状態は区別する必要があります。
出典・画像について
画像:エドゥアール・マネ《内戦》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
所蔵館がCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。 初期表示は図柄全体。題字と余白を含む用紙の図版全体にも切り替えられます。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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