1871年(版の記年/1874年刊行)
38〜39歳頃

内戦

画家 エドゥアール・マネ →
Civil War (Guerre civile) / ワシントン・ナショナル・ギャラリー
バリケードの傍の死者を描いた、コミューンに関わる版画はんが。

何が描かれているか

街路をふさぐためのバリケードの前に、男性が倒れています。背後には街路や建物が見え、右端には別の人の脚が入り込んでいます。男性は市民が担う国民衛兵で、1871年の自治政府パリ・コミューンの鎮圧に関わる場面です。街の中心に残された死者を、黒い線と濃淡によって見せる版画で、油彩ゆさいの戦争画とは違う表情があります。

作品の見どころ

手前の身体を濃く描き、奥の街を細い線や薄い調子にすることで、視線が倒れた人へ戻ります。輪郭りんかくを整えた細密な描写より、重なった黒い筆致が地面や瓦礫の荒さを伝えます。横たわる身体の構成は《死せる闘牛士》と比べられます。ただし、闘牛の個人の死と、都市の政治的な暴力は別の主題で、同じ場面として読んではいけません。

制作背景

技法はリトグラフで、油分を含む材料で描いた像を紙へ刷る方法です。掲載するのはワシントン所蔵の、薄紙を台紙に貼った刷りです。所蔵館の制作年と版の記年は1871年ですが、刊行は1874年で、出来事の年と配布された年が異なります。別の美術館にも同じ主題の刷りがあり、それぞれの寸法や状態は区別する必要があります。

作品情報

材質・技法
リトグラフ、薄紙(台紙に貼付)
所蔵
ワシントン・ナショナル・ギャラリー
目録番号
1943.3.5758

出典・画像について

画像:エドゥアール・マネ《内戦》/Courtesy National Gallery of Art, Washington
画像の出典 / CC0 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
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この画家について本で読む

エドゥアール・マネを見つめて
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