1878〜1879年
45〜47歳頃

温室にて

画家 エドゥアール・マネ →
Dans la serre / ベルリン国立美術館/旧国立美術館
植物の中にいる夫婦を、近づく手と離れた視線で描く。

何が描かれているか

植物に囲まれた長椅子に女性が座り、その後ろから男性が身を乗り出しています。女性は手袋をつけ、傘を持ち、男性の手は椅子の背へ伸びています。花や葉が画面の上を覆い、二人の服や顔がその緑から浮かびます。モデルは衣服店を営んだギユメ夫妻で、同じ場所にいても、互いを見つめ合う姿としては描かれていません。

作品の見どころ

椅子の縦棒と、上へ伸びる葉が画面を細かく区切ります。その間で二人の手が中央へ近づきますが、触れ合ってはいません。女性の明るい手袋と男性の肌の色をたどると、手の距離が見えてきます。落ち着いた装いと、近いのに別々の方向へ向く視線が重なります。夫婦の仲の良し悪しを決めるより、姿勢と配置が生む緊張を見たい作品です。

制作背景

所蔵館の現行目録では1878〜1879年の制作です。舞台は友人画家ゲオルク・フォン・ローゼンのアトリエにあった温室で、ベルリンの旧国立美術館に所蔵されています。流行の服を着た人々を植物や家具と組み合わせる人物画で、黒い服と白い服を大きく対比した《バルコニー》とは異なる、細かな色の関係も比べられます。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
ベルリン国立美術館/旧国立美術館
目録番号
A I 550

出典・画像について

画像:エドゥアール・マネ《温室にて》/Édouard Manet / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →
アフィリエイトリンク|このリンクから購入されると、運営者に報酬が入ることがあります。

この画家について本で読む

エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
楽天ブックスで見る →