何が描かれているか
闘牛士の男性が、横長の画面いっぱいに倒れています。黒と白の衣装を着た身体は、足から顔へ斜めに伸び、顔の近くには剣と赤い布が見えます。観客席や牛の姿はなく、背後の暗い空間には場所を示す物がほとんどありません。闘牛という出来事の全体より、地面に残された一人の身体を見つめる場面になっています。
作品の見どころ
白い衣装や靴下が、黒い上着と暗い背景の間で強く浮かびます。顔を手前に向けた姿勢は、遠い場所の事件よりも、すぐ近くに倒れた人を見るような距離を作ります。身体の周りに何もないため、横へ長く伸びる輪郭を目がたどります。赤い布は小さな面積ですが、白黒の大きなまとまりを区切る色として見ることができます。
制作背景
所蔵館は制作年を1864年頃と推定しています。本作は、マネが大きな闘牛画を自ら切り分け、描き直して独立させた部分です。掲載画像が一枚の絵を途中で切ったものではなく、現在の作品そのものがこの横長の形をしています。後の版画《内戦》と比べると、横たわる身体の構成が別の出来事へ用いられる点にも気づきます。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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