何が描かれているか
軍楽隊の少年が、赤いズボンと黒い上着を着て笛を吹いています。白い帯が肩から斜めに渡り、金色の飾りが帽子や服についています。背景には家具や建物がなく、灰色の広がりだけが残されています。床と壁の境目もほとんど見えず、場所より、笛を支える手と口元、まっすぐ立つ姿に注意が集まります。
作品の見どころ
上着の黒は大きな平面に近く、ズボンの赤も細かな陰影で丸く見せる描き方を控えています。一方で、白い帯や袖には厚い絵の具の明るさがあり、形を際立たせます。少年が浮いて見えるようでも、足元には小さな影が置かれています。描き込みを減らした部分と、はっきり残した部分を比べると、人物を立たせる仕組みが見えてきます。
制作背景
マネは1865年にマドリードでベラスケスの人物画を見て、背景がほとんどないのに人が立って見える表現に感銘を受けました。その経験を経て描いた本作は、1866年のサロンで落選しています。特別な地位のない少年に大きな肖像の形式を用い、伝統を現代の人物へ結びつけた作品です。灰色の背景も原画の一部です。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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