何が描かれているか
舞踊家ローラ・ド・ヴァランスが、華やかな短いスカートと肩掛けを身につけて立っています。足元まで姿が描かれ、顔は見る人の方を向いています。衣装には赤や黄、青の色が散り、白い布が頭の周りを囲みます。左側に持つ扇と、身体を少しひねった立ち方が、舞台の人物らしい身のこなしを伝えています。
作品の見どころ
顔や腕の肌色よりも、衣装の模様が細かく目を引きます。黒い部分は単なる影にならず、鮮やかな色を受け止める大きな面として働いています。背後は暗く、足元の明るい床が人物の輪郭を支えます。踊りの激しい動きを描くというより、止まった姿の中に色と姿勢の変化を集めた肖像として、頭から足へ順に眺めると分かりやすくなります。
制作背景
モデルの本名はローラ・メレアで、スペインの舞踊団の一員として1862年にパリで公演しました。マネは同年にこの油彩画を描き、1863年にマルティネ画廊で展示しています。同じ題の版画もありますが、掲載しているのはオルセー美術館所蔵の油彩です。既存の《スペインの歌手》とともに、スペインの芸能への関心をたどれます。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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