すみれの花束をつけたベルト・モリゾ
画家 エドゥアール・マネ →Berthe Morisot au bouquet de violettes / オルセー美術館
黒い衣装の幅広い濃淡と、横からの光で描く画家の肖像。
何が描かれているか
画家ベルト・モリゾが、黒い帽子と黒い服を身につけてこちらを向いています。胸元には小さなすみれの花束があります。背景は淡い色で、顔の片側へ横から光が当たり、もう片側には影が落ちています。白い顔と黒い服という単純な組み合わせに見えても、帽子の形や首元の布、髪の線がそれぞれ違う黒で描かれています。
作品の見どころ
帽子は大きく高く広がり、顔の周りの黒い輪郭を強めています。明るい頬と暗い頬の差をたどると、左右が同じようには照らされていないことが分かります。所蔵館によれば、実際には緑色だったモリゾの目も、ここでは黒く描かれています。似顔を忠実な色の写しとして読むより、黒の配置が視線を際立たせる仕組みに注目できます。
制作背景
1872年の肖像で、オルセー美術館に所蔵されています。モリゾはマネと交流した同時代の画家で、《バルコニー》にも登場しています。集団の中に座る姿と、顔へ注意を集めたこの肖像を比べると、同じモデルでも構図が変わることが分かります。表情から二人の関係やモデルの気持ちを、一つに決めることはできません。
出典・画像について
画像:エドゥアール・マネ《すみれの花束をつけたベルト・モリゾ》/Édouard Manet / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示を確認した平面作品の複製。全景を保ちWebPへ縮小。国・地域によって扱いが異なります。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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