ジュリアン・ド・ラ・ロシュノワールの肖像
画家 エドゥアール・マネ →Portrait of Julien de la Rochenoire / J・ポール・ゲティ美術館
絵の具ではなくパステルで、友人の顔と衣服を捉える。
何が描かれているか
動物画家ジュリアン・ド・ラ・ロシュノワールが、身体を少し斜めに向けて座っています。黒い上着に明るい襟が入り、頬から額へ光が当たっています。髭や髪には暗い線が重なり、背後には赤や青、白の色が入り交じっています。顔と服の輪郭を滑らかに塗り込めず、描いた線を残しているため、筆とは違う道具の動きが感じられます。
作品の見どころ
パステルは、粉の顔料を棒状に固めた材料で描く方法です。ここでは紙でなくカンヴァスに用いられています。髭の細い線、服の大きな黒、背景の短い色の跡を比べると、同じ材料でも動かし方を変えていることが分かります。背景の淡い部分は作品の下地や描かれた色であり、取り去る余白ではありません。顔の周囲の色も肖像を支えています。
制作背景
モデルはマネの友人で、動物を描いた画家です。所蔵するゲティ美術館の現行個別目録は1882年としており、ここでもその年代を採用しています。晩年のマネは、ドガやモリゾ、弟子ゴンザレスの例にも励まされてパステルに取り組みました。油彩の人物画と並べれば、色を乾いた線で重ねる描き方の違いを比べられます。
出典・画像について
画像:エドゥアール・マネ《ジュリアン・ド・ラ・ロシュノワールの肖像》/The J. Paul Getty Museum, Los Angeles
所蔵館がCC0で公開した図版。全景を保ちWebPへ縮小。
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この画家について本で読む
エドゥアール・マネを見つめて
エミール・ゾラ 著/林 卓行 監訳/神田 由布子 訳 / 東京書籍
マネを擁護した同時代の作家ゾラの文章を軸に、人柄、作品、公衆との関係を代表作とともに読める入門書です。
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