1455〜1456年頃
24〜25歳頃

ゲツセマネの祈り

画家 アンドレア・マンテーニャ
The Agony in the Garden / ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
祈るキリスト、眠る弟子、近づく兵士を岩の道で結ぶ。静かな前景に、これから起きる逮捕の時間が入り込む。

何が描かれているか

キリストが岩山の上でひざまずき、受難に使われる道具を掲げる天使たちへ祈る。手前ではペトロ、ヤコブ、ヨハネが眠り、背後の道をユダに導かれた兵士が進む。
囲われた都市、切り立つ岩、細い道、枯れ木、ウサギや鳥までが乾いた風景へ置かれる。前景の静かな眠りと、遠景から近づく集団が、同じ画面に異なる時間をつくる。

作品の見どころ

岩の稜線と曲がる道が、兵士からキリストへ視線を運ぶ。人物の数は多いが、祈り、眠り、接近という三つの動作が離れているため、出来事の順序を地図のようにたどれる。
岩は自然物でありながら、切り出した建築や彫刻のように固い。弟子の衣の丸い塊、都市の直線、細い樹木を描き分け、静かな朝の光の中へ不安を積み重ねている。

制作背景

ナショナル・ギャラリーは1455〜1456年頃、板に卵テンペラの作品として所蔵する。主題は逮捕前のゲツセマネでの祈りで、天使が示す十字架や柱は、これからの受難を先取りする。
同じ主題を義弟ジョヴァンニ・ベッリーニも描いた。マンテーニャ版は岩と古代風の都市を強く組み立て、人物を自然の中に置くより、物語全体を舞台として設計している。

作品情報

材質・技法
卵テンペラ、板
所蔵
ナショナル・ギャラリー(ロンドン)
位置づけ
祈るキリスト、眠る弟子、近づく兵士を岩の道で結び、静止した前景へ迫る出来事を組み込んだ。

出典・画像について

画像:Andrea Mantegnaゲツセマネの祈り》/ゲツセマネの祈り — Andrea Mantegna / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-22 確認)
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