三本の十字架の足元で、聖母を支える人々と衣を分ける兵士が向き合う。元の祭壇画の下段中央を担った一枚。
何が描かれているか
中央のキリストと、左右の二人が十字架に掛けられる。左下では聖母マリアが崩れ、周囲の人々が身体を支える。右下の兵士たちは衣を分け、奥には馬に乗る者や槍を持つ者も見える。
背後の岩山から町へ続く道が、人物の集まりを囲む。中央の十字架は真っすぐだが、両側の十字架は斜めを向く。三人の身体と、空へ伸びる木の向きを一緒に見ると距離の違いが分かる。
作品の見どころ
石畳の割れ目と、十字架の足元を見比べたい。硬い床の線が奥へ進む一方、手前の人物はその上に重なり、悲嘆と日常的な動作が隣り合う。空の広さも、人の密集を際立たせる。
聖母を支える左の集団と、地面に座る右の兵士は、同じ高さに置かれている。視線を横へ動かすと、上の受難だけでなく、それを取り巻く人々の異なる振る舞いにも気付く。
制作背景
ルーヴルは1456〜1459年、ポプラ板にテンペラとして登録する。ヴェローナのサン・ゼーノ祭壇画の下段中央板だった。祭壇の下部に物語場面を並べる帯を、プレデッラと呼ぶ。
1797年まで聖堂にあり、接収を経て1798年にルーヴルへ入った。下段の左右の原画はトゥールに所蔵される。今は単独で見られるが、聖母子と聖人の主画面を支えた一場面でもある。
作品情報
元の構成
サン・ゼーノ祭壇画の下段中央板。ヴェローナに置かれた複製と本作の原画を区別。
出典・画像について
画像:Andrea Mantegna《磔刑(サン・ゼーノ祭壇画の下段中央)》/Wilfredo Rafael Rodriguez Hernandez / Wilfredor
撮影者WilfredorがCommonsでCC0を提示した写真。原作品の保護期間と現代写真の条件を分けて確認。
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