何が描かれているか
古代ローマの使節たちが、小アジアから迎えた女神キュベレを表す胸像を運ぶ。長い衣の人物、楽器を吹く者、歓迎する者が、横長の画面を行列のように進む。
人物も建築も灰色を基調に描かれ、背景の一部だけに色が残る。台座の銘文、月桂樹、衣のひだまで、古代の石浮彫を見ているように整えられている。
作品の見どころ
平らなカンヴァスに、彫られた石の厚みと影を描いている。人物は横へ並ぶのに、重なる足、胸像を支える腕、手前へ向く顔によって、浅い空間の中へ前後が生まれる。
色を減らしたため、衣の線、身体の向き、銘文が目立つ。絵画が彫刻に見えるだまし絵であると同時に、失われた古代を現代の宮殿へ持ち込む装置にもなっている。
制作背景
ヴェネツィア貴族フランチェスコ・コルナーロは、自家を古代ローマのコルネリウス家へ結びつけるため連作を計画した。本作はその祖先をたたえる構想の一部として注文された。
マンテーニャが完成したのは本作だけで、1506年の死後、別の画家が連作を続けた。晩年の作品でありながら、古代史、家系、絵画と彫刻の競合を一画面へまとめている。