何が描かれているか
死んだキリストが赤みのある石板の上へ横たえられ、足裏をこちらへ向ける。手足には釘の傷が残り、白い布が腰と身体の下を覆っている。
画面左端では、老いた聖母マリア、福音書記者ヨハネ、マグダラのマリアが泣く。三人は狭い端へ押し込まれ、中央の大部分を動かない身体と石板が占める。
作品の見どころ
身体を足元から見る短縮法が、鑑賞者の立つ位置を決める。足を実際の遠近法どおり大きくしすぎず、顔と胸も見えるよう調整しているため、技法より死者との距離が先に感じられる。
硬い石、冷えた肌、柔らかな布、涙に濡れた顔を別々の質感で描く。華やかな背景を省き、水平に伸びる身体と哀悼者のしわへ集中することで、静けさを強めている。
制作背景
ブレラ絵画館は1483年頃、カンヴァスにテンペラとして登録する。ただし同じ主題の異作があり、マンテーニャの死後に工房で記録された「短縮されたキリスト」と本作が同じかは断定できない。
初期の来歴も部分的にしか分からない。画家自身の私的な祈りに使われた可能性が示されるが、用途は確定していないため、伝承と現在確認できる作品を分けて考える。