1495〜1500年頃
64〜69歳頃

ホロフェルネスの首を持つユディト

画家 アンドレア・マンテーニャ →
Judith with the Head of Holofernes / アイルランド国立美術館
灰色を中心とした明暗で、二人の女性を石の浮彫のように見せる。首を袋へ納める手の受け渡しが場面の中心になる。

何が描かれているか

テントの前で、ユディトが将軍ホロフェルネスの首を袋へ入れる。隣の侍女が袋を支え、奥の寝台からは将軍の足がのぞく。剣を持つユディトの身体は、わずかにひねられている。
町を包囲する敵の将軍を討った女性という、聖書の物語を描く。斬る瞬間ではなく、その後の受け渡しを選ぶ。二人の顔よりも、首を下ろす手と、袋を開く手のつながりが目を引く。

作品の見どころ

灰色を中心に、黄や紫の色調を交えた身体が、石の彫刻のように見える。このように単色に近い明暗で描く方法をグリザイユという。衣のひだと腕の影が、浅い浮彫の厚みを作る。
ユディトだけでなく侍女の働きも見たい。袋を支える姿がなければ、中央の動作は成り立たない。背景のテントは暗く、女性たちの輪郭りんかくが手前へ浮く。色の少なさが、手と衣の細い線を際立たせる。

制作背景

アイルランド国立美術館は、1495〜1500年頃のリネンにテンペラとして所蔵する。館は石の浮彫と大理石をまねる画面と説明する。同じ題名の異作とは、色調や構図こうずを区別したい。
館は、ゴンザーガ家が強い女性を描く連作れんさくとして注文した可能性を示すが、注文主は確定しない。古代彫刻への関心と、物語の二人の協働を、一枚の小品で見比べられる作品である。

作品情報

材質・技法
テンペラ、リネン(亜麻布)
所蔵
アイルランド国立美術館(NGI.442)
主題・構成
聖書のユディトの物語。単色に近い明暗で彫刻をまねるグリザイユの作品。

出典・画像について

画像:Andrea Mantegna《ホロフェルネスの首を持つユディト》/Andrea Mantegna; Mauro Lucco編、2006年展覧会カタログ由来の忠実な平面複製
画像の出典 / PD(画像情報:2026-10-01 確認)
Commons個別ファイルのPD表示に基づく忠実な平面複製。複製画像の扱いには法域差があります。 館サイトの別画像の配布条件を、このファイルの条件に転用していません。
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