何が描かれているか
岩のアーチ上で軍神マルスと愛の女神ウェヌスが並び、近くにクピドが立つ。下では九人のムーサが輪になって踊り、左でアポロンが楽器を奏でる。
右には鍛冶神ウルカヌスが洞窟から姿を見せ、翼のある馬ペガサスと伝令神メルクリウスも加わる。岩、果樹、水辺が舞台を区切り、神々の関係を場所で示す。
作品の見どころ
上段の静かな男女、下段の踊る集団、左右の単独人物が異なる速さをつくる。ムーサの衣は色を変えながら反復し、人物が多くても輪の動きを一目で追える。
岩のアーチは自然の洞窟であると同時に、舞台の額縁でもある。古代彫刻のような身体を、音楽や踊りの軽い動きへ変え、宮廷で読み解く神話の場を作っている。
制作背景
イザベラ・デステは1496〜1497年の冬、マントヴァのサン・ジョルジョ城に設けた書斎のために本作を注文した。後に複数の画家の神話画と同じ空間へ並べられた。
現在の風景、ウェヌス、アポロンやムーサの一部には後世の油彩による加筆があるとルーヴルは記録する。制作当初の色と現在の見え方を完全に同じとは考えない方がよい。