何が描かれているか
中央で聖母マリアが玉座に座り、幼子キリストを抱く。左右の翼には聖バルトロマイ、聖ブラシウス、聖ジョヴェナーレ、聖アントニウスが二人ずつ立ち、天使が聖母子の前でひざまずく。
三枚の板に分かれていても、床の線と人物の高さが中央へ続く。金地の聖なる背景を保ちながら、登場人物が同じ場所に集まるように見せている。
作品の見どころ
玉座と床の線を中央へ延ばすと、一つの消失点へ向かう構成が見える。厳密な完成形ではないが、若いマザッチョが遠近法による統一空間を早くから試したことが分かる。
聖母子の身体は衣の明暗で丸みを持ち、左右の聖人も足裏で床へ立つ。人物を金地に並べるだけでなく、重力のある身体として同じ空間へ置くことが目標になっている。
制作背景
作品には1422年4月23日の日付があり、現存するマザッチョ最初期の確実な仕事とされる。現在は生地に近いレッジェッロのマザッチョ美術館に所蔵される。
後のブランカッチ礼拝堂ほど空間は自然ではないが、三連祭壇画の区切りを越えて床と視線をつなぐ点が重要である。初期作を起点にすると、数年間での急速な変化が見える。