影で病人を癒やす聖ペテロ
画家 マザッチョ →San Pietro risana gli infermi con la sua ombra / サンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂
聖ペテロが街路を歩く場面を、建物の奥行きと人々の身体から読み解く。
何が描かれているか
建物が続く狭い通りを、聖ペテロと従者たちが歩いてくる。左には地面の近くに身をかがめる人、座る人、立つ人が並ぶ。題材は使徒言行録に由来し、ペテロの影によって病人が癒やされるという奇跡の物語である。ペテロの光輪や色のある衣が目印になる一方、周囲の人々もそれぞれ異なる姿勢で描かれている。
作品の見どころ
左の建物の壁や窓を奥へたどると、人物が歩く通りの深さが分かる。衣の明暗は、身体の丸みや重さを感じさせる。地面に低くいる人物から立つ人物へと目を移すと、身体の高さや向きの違いも見えてくる。物語の結末だけを探すより、建物、足元、顔を順に見たい。奇跡の場面が、日常の街路に近い空間へ置かれている。
制作背景
本作はブランカッチ礼拝堂の聖ペテロ伝の一場面で、フィレンツェ市の案内もマザッチョ作とする。イタリアの国立目録では制作年代に幅があり、1423年頃から1428年以前と記録される。同じ礼拝堂の《新信者の洗礼》と並べると、屋外の広い風景と狭い街路で、人物の集まり方や空間の作り方を比べられる。
作品情報
所在地
サンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂、ブランカッチ礼拝堂(フィレンツェ)
作品記録
イタリア文化省・国立目録 0900281111-10
出典・画像について
画像:Masaccio《影で病人を癒やす聖ペテロ》/Masaccio / Wikimedia Commons — Public Domain Mark 1.0 (PD-Art)
CommonsのPublic Domain表示に基づく忠実複製です。複製画像や文化財画像の利用条件には国・地域差があります。
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この画家について本で読む
イタリア・ルネサンス美術館
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