装飾的背景の装飾的人物
画家 アンリ・マティス →Figure décorative sur fond ornemental / ポンピドゥー・センター
裸婦と花模様、鉢植え、敷物が競い合い、人物と装飾の境界が揺れる大きな画面です。
何が描かれているか
白い布を腰に掛けた裸婦が、花模様の背景の前で膝を立てて座っています。横には鉢植え、足元には敷物と果物を載せた器があり、部屋の各所に違う模様が重なります。身体には明暗と量感がありますが、背景の花や曲線は平らな装飾として強く迫ります。人物だけを中心に眺めようとしても、周囲の色や模様が次々と目を引く構図になっています。
作品の見どころ
身体の大きな折れ曲がりと、背後の花模様の曲線を見比べてください。人物の形は比較的角張り、植物や装飾には繰り返す丸みがあります。鉢の青、背景の青、敷物の色が別の場所で呼応し、室内全体をつないでいます。奥に置かれた物と手前の身体が同じ強さで主張するため、奥行きと平らな模様を交互に感じられます。装飾が主役にもなる一枚です。
制作背景
1925〜1926年冬の作品です。マティスは1921年から、ニースのアトリエに布や敷物、屏風を組み合わせ、変えられる装飾の舞台を作っていました。この絵はその環境に関わります。ニース期の裸婦画を、模様と身体の競合から理解する重要な作品です。
出典・画像について
画像:アンリ・マティス《装飾的背景の装飾的人物》/Francesco Bini(Sailko)
撮影:Francesco Bini(Sailko)。CC BY-SA 4.0。WebPへ縮小、表示のみ作品外の額縁を除外。 国・地域によって扱いが異なります。
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この画家について本で読む
アンリ・マティス作品集 諸芸術のレッスン
米田 尚輝 著 / 東京美術
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