細かな光と食器の質感に向き合う初期の食卓画は、後の大胆な色彩との違いも楽しめます。
何が描かれているか
白いクロスを掛けた食卓には皿、グラス、果物、容器が並び、奥の女性が仕上げの準備をしています。テーブルの斜めの縁が手前から室内へ視線を導き、窓から入る光がガラスや金属、布に異なる反射を生みます。暗い部屋と明るい卓上が対照をなし、物の量感や材質まで描き分けた、初期のマティスの仕事が見られます。
作品の見どころ
まず、白い布が一色ではなく、灰色や青みを帯びた影の集まりでできている点に注目してください。後の《赤い部屋》でも食卓と女性が主題になりますが、ここでは奥行きや細部が重要です。同じ室内の題材を、時期によってどれほど違う画面に変えたかを比較できます。
制作背景
バイエラー財団の公式解説は、この作品を1896〜1897年制作の初期の大作として紹介しています。当時マティスはギュスターヴ・モローに学び、ルーヴルで昔の絵を研究していました。ヤン・ダヴィッツゾーン・デ・ヘームの食卓の静物画も手がかりになっています。大胆な色面の画家になる前に、複雑な光や物の質感を学んでいたことを知る一枚です。
出典・画像について
画像:アンリ・マティス《食卓》/Henri Matisse / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。 国・地域によって扱いが異なります。
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