金魚のいる容器とパレットが、黒い面、直線、曲線の複雑な組合せに組み込まれています。
何が描かれているか
中央の台に金魚のいる透明な容器が置かれ、赤い魚が周囲の灰色や黒、青の中で目立っています。窓の手すりを思わせる曲線や、斜めに交差する線が室内を区切り、右には白っぽい四角形が描かれています。物の位置は分かるのに、奥行きは大きな面によって押し戻され、静物画が幾何学的な構図へ変わっていく様子が見られます。
作品の見どころ
最初は赤い金魚を目印にし、容器の曲線と周囲の黒い帯を見比べてください。柔らかい形と直線が交互に現れ、物と空間の区別が揺れます。右の白い形はパレットを表し、そこから出る指や下の折れた形には画家の姿が隠されています。人物全体を描かなくても、部分的な形だけで制作する人の存在を知らせている点が、この静物画の面白いところです。
制作背景
MoMAは制作期間を1914年11月末から1915年春としています。メトロポリタン美術館の解説では、パリのセーヌ河畔のアトリエで描かれ、当初の素描にいた画家が改作の中で目立たなくなったと説明されます。金魚の主題を通じて空間を探究した一枚です。
出典・画像について
画像:アンリ・マティス《金魚とパレット》/Henri Matisse / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。 国・地域によって扱いが異なります。 額縁・撮影余白のみ表示上で除外。画像全体も閲覧できます。
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