暗い室内と明るい海辺を窓が結び、ニース期の光を知る手がかりになる作品です。
何が描かれているか
開いた窓のある部屋の手前に、ヴァイオリンとそのケース、紙が置かれています。窓の鎧戸や壁は暗い色で描かれ、外には青い空、海、明るい植物の一部が見えます。室内の物は大きな面と線に整理されていますが、窓の外は光のある自然として捉えられています。人のいない部屋でも、楽器と紙がそこを使う人の存在を感じさせます。
作品の見どころ
窓を境にして、暗い色と明るい色だけでなく、描き方も変わっている点を見てください。室内の斜めの線や黒い面は硬く構成され、外の風景は小さな筆触や色の変化で示されています。窓は単に景色を見せる穴ではなく、異なる表現を接する場所にもなっています。楽器の曲線と鎧戸の平行線を比べると、室内だけにも静かな動きがあることに気付きます。
制作背景
所蔵館は、ニースのオテル・ボー=リヴァージュで1918年前半に描かれたと説明しています。1910年代の抽象的な室内表現と、その後の自然に近い描き方が一枚に共存しています。明るい南仏の人物画や装飾画へ進む時期を理解するための、重要なつなぎ目となる絵です。
出典・画像について
画像:アンリ・マティス《ヴァイオリンのある室内》/SMK / デンマーク国立美術館
SMK個別画像のPublic Domain Mark表示に基づく。 国・地域によって扱いが異なります。
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