1923年
53〜54歳頃

オダリスク

画家 アンリ・マティス →
L’odalisque / デンマーク国立美術館
室内の布や模様を舞台に、立つ人物と色面の釣合いを探ったニース期の人物画です。

何が描かれているか

帽子を着けた女性が室内に立ち、上半身の肌と縞模様の長い衣服が目に入ります。背後には赤を中心とする装飾的な布や壁面があり、縦に伸びる身体と背景の区画が呼応しています。手は腰の近くに置かれ、人物の姿勢は落ち着いています。衣服や装飾を細かい小道具として見るだけでなく、人の形を引き立てる色と模様として眺められます。

作品の見どころ

身体の輪郭りんかく、衣服の縞、背景の縦線を順に追ってみましょう。似た向きの線が重なり、人物と室内が一緒に組み立てられているように感じられます。肌の柔らかい明暗に対し、背後の赤は平らで強い色として働きます。人物を描くことと、模様で画面を飾ることが別々ではない点が見どころです。題名だけで実在の後宮の生活を写したと考えるのは避けましょう。

制作背景

デンマーク国立美術館所蔵の1923年の油彩ゆさいです。マティスはニース期にオダリスクという主題を繰り返し、モデルと布、屏風などを使って室内を構成しました。その伝統的な主題を、身体と色面の関係を探る機会にしています。後の《装飾的背景の装飾的人物》と比べると、模様の役割の変化も分かります。

作品情報

材質・技法
油彩、カンヴァス
所蔵
デンマーク国立美術館
目録番号
KMSr87

出典・画像について

画像:アンリ・マティス《オダリスク》/SMK / デンマーク国立美術館
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / 画像の出典・条件(画像情報:2026-09-29 確認)
SMK個別画像のPublic Domain Mark表示に基づく。 国・地域によって扱いが異なります。
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