何が描かれているか
淡い青の地に、橙色や桃色などの切り紙の形が浮かんでいます。ヴァンスのロザリオ礼拝堂で、祭壇の奥に当たる後陣の窓を考えるためのマケット、つまり設計案です。グワッシュという不透明な絵具で彩色した紙を切り、クラフト紙へ貼ってカンヴァスで裏打ちしています。上下二部分を合わせると、高さは約五メートルに及びます。
作品の見どころ
青い地と色の形が占める広さ、その間隔を見比べてください。葉や海藻を思わせる形は、所蔵館が説明する『ジャズ』やタヒチの記憶とのつながりも感じさせます。ここでは紙の上の色の配分が、将来窓を通る光の配分を考える手掛かりになっています。完成したガラス窓と同じ配色ではなく、制作の途中の構想を見られる点が大切です。
制作背景
1948年11月から1949年1月に制作された、窓の第2案です。所蔵館は、半分の大きさの第1案、この実物大の第2案、1949年3月末の最終案を区別しています。支えの鉄の棒を考慮して構想を改め、最終的には黄・青・緑の三色へ絞られました。晩年の切り紙が、本や壁面を越えて建築空間の光へ広がる過程を伝えています。