何が描かれているか
大きなピンクの裸婦が、青と白の格子模様の上に横たわっています。身体は横長の画面いっぱいに広がり、頭は身体に比べて小さく、腕や脚も大胆に曲げられています。背景や家具の説明は少なく、皮膚の細かな明暗より、輪郭と一つの色面としての身体が目に入ります。ピンクの曲線と青い格子が対照をなし、人物と装飾が画面を共有しています。
作品の見どころ
人体の比率を現実と比べるだけでなく、頭や脚を動かすと画面の余白がどう変わるかを想像してみましょう。規則的な格子に対して、人物の輪郭は一続きの柔らかい動きを作ります。自然な姿を写すというより、身体の形を画面の中で釣り合わせる絵として見ると、変形の意味がつかみやすくなります。
制作背景
ボルティモア美術館は、半年にわたる制作過程で、家具のある室内の裸婦から単純な形と平らな色へ変化したと説明しています。マティスは色紙を画面に留めて構図を検討し、二十二枚の写真に途中の状態を記録しました。写真は収集家エッタ・コーンへ送られ、彼女は翌年に完成作を購入しました。見た目の単純さが、長い試行錯誤の結果であることを伝える一枚です。