何が描かれているか
青や緑の紙を並べた格子状の背景に、鳥、魚、海草のような白い形が散らばっています。白い部分には波打つ縁や細い突起があり、はっきりした動物と装飾的な模様の間を行き来します。空や海底を遠近法で描き分けず、同じ平面の中に生き物の気配を広げています。大きな横長の画面を、色の区画と白い形の反復がつないでいます。
作品の見どころ
白い形だけを追った後、青や緑の四角形の配置にも目を向けてください。規則的な背景と、自由に広がる形が異なるリズムを作っています。生き物の種類を一つずつ当てるより、形が浮く、潜る、漂うように感じられるかを見てみましょう。細かな写実がなくても、色と輪郭から海の世界を連想できるところが魅力です。
制作背景
1946年の切り紙による構図で、タペストリーのための原案に関わります。所蔵館の解説では、白い形に便箋、背景に市販の色紙を使い、グワッシュを加えたとされています。1947年に織られたタペストリーそのものとは区別しました。タヒチ旅行の記憶を再構成し、紙による作品を建築や布の装飾へ広げる、晩年の仕事を知る重要な一枚です。