何が描かれているか
ほぼ正方形の大きな画面に、赤、青、緑、黄色、紫などの紙の形が貼られています。色の塊は中心の周りを巡るように配置され、外側には明るい枠のような領域があります。目や触角などを細かく描いたかたつむりではありませんが、色の配置には殻の渦を思わせる動きがあります。
作品の見どころ
中心から外へ、色の塊を順に追ってみましょう。赤と緑、青とオレンジなど、離れた色が近くに置かれ、互いを強く見せています。題名をいったん忘れると、形と色だけの抽象的な構図としても楽しめます。再びかたつむりを思い浮かべると、渦の動きが自然の形に結び付きます。具体的な対象から出発しても、色の関係を中心にした作品へ変えられる点が魅力です。
制作背景
1953年、ニースのオテル・レジナで制作された晩年の切り紙絵です。テートは、マティスが自然のかたつむりを描いた後、その印象を整理して鋏で形を作ったことを紹介しています。グワッシュで彩色した紙を切って貼り、カンヴァスに裏打ちした大作です。細部を写す初期の絵から半世紀以上を経て、自然を色と形の関係へ変える仕事の到達点を知ることができます。