青と緑のテラスに座る人物を、衣服の模様と少ない形で印象深く捉えています。
何が描かれているか
テラスに一人の女性が座り、模様のある衣服が身体を包んでいます。近くには履物や丸い容器が置かれ、背後の壁と地面には青や緑が広く塗られています。顔の周囲や服の模様には明るい黄色が入り、冷たい色の空間から人物が浮かびます。細かな建物の描写より、地面と壁を斜めに横切る色の境界が、場所の広がりを伝えています。
作品の見どころ
人物の顔から衣服の模様へ、さらにテラスを占める青へと視線を動かしてみましょう。身近な物は分かるのに、距離や重さは現実の見え方どおりには強調されていません。模様の曲線と周囲の大きな色面の対比が、座る人物の静けさを際立たせます。色をその場所の記録だけでなく、人物を包む空間の作り方として捉えると、この絵の特徴が見えてきます。
制作背景
プーシキン美術館の現行記録では制作年は1912〜1913年です。モロッコの人物を描いた作品で、人物と場所を色でまとめています。青の広がりと衣服の明るい模様の対比に、人物の印象を作る色の工夫が見られます。後の《モロッコ人たち》と比べると、人物や場所の印象が、異なる色や形へ展開されていることを考えられます。
出典・画像について
画像:アンリ・マティス《テラスのゾラ》/Henri Matisse / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。 米国での原作品の公表条件は別途確認が必要です。 国・地域によって扱いが異なります。
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この画家について本で読む
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米田 尚輝 著 / 東京美術
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