1912〜1913年
42〜43歳頃

テラスのゾラ

画家 アンリ・マティス →
Zorah sur la terrasse / プーシキン美術館
青と緑のテラスに座る人物を、衣服の模様と少ない形で印象深く捉えています。

何が描かれているか

テラスに一人の女性が座り、模様のある衣服が身体を包んでいます。近くには履物や丸い容器が置かれ、背後の壁と地面には青や緑が広く塗られています。顔の周囲や服の模様には明るい黄色が入り、冷たい色の空間から人物が浮かびます。細かな建物の描写より、地面と壁を斜めに横切る色の境界が、場所の広がりを伝えています。

作品の見どころ

人物の顔から衣服の模様へ、さらにテラスを占める青へと視線を動かしてみましょう。身近な物は分かるのに、距離や重さは現実の見え方どおりには強調されていません。模様の曲線と周囲の大きな色面の対比が、座る人物の静けさを際立たせます。色をその場所の記録だけでなく、人物を包む空間の作り方として捉えると、この絵の特徴が見えてきます。

制作背景

プーシキン美術館の現行記録では制作年は1912〜1913年です。モロッコの人物を描いた作品で、人物と場所を色でまとめています。青の広がりと衣服の明るい模様の対比に、人物の印象を作る色の工夫が見られます。後の《モロッコ人たち》と比べると、人物や場所の印象が、異なる色や形へ展開されていることを考えられます。

作品情報

材質・技法
油彩ゆさい、カンヴァス
所蔵
プーシキン美術館
目録番号
Ж-3396

出典・画像について

出典:プーシキン美術館《テラスのゾラ》(2026-09-29 確認)
画像:アンリ・マティス《テラスのゾラ》/Henri Matisse / Wikimedia Commons(平面作品の複製)
Commons個別ファイルのPublic domain表示に基づく忠実な平面複製。 米国での原作品の公表条件は別途確認が必要です。 国・地域によって扱いが異なります。
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