中央で聖クリストフォロスが幼子を肩に乗せ、川を渡る。
何が描かれているか
中央で聖クリストフォロスが幼子を肩に乗せ、川を渡る。左右の翼にはモレール夫妻と子どもたちが跪き、聖人に守られるように並ぶ。左側の父ヴィレムと息子たち、右側の母バルバラと娘たちを見比べると、一人の肖像ではなく家族全体の祈りを描く三連画だと分かる。まず中央の赤い衣を目印にし、そこから両翼の小さな顔へ移ると読みやすい。
作品の見どころ
川を渡る大きな動きの左右に、家族の静かな姿勢が置かれる。子どもたちは似た服でも顔や位置が違い、集団として省略されていない。遠くの岩や町並みまで続く風景が、三枚をただ並べた絵以上に広い世界を作る。中央の聖人を囲む別の二人の聖人にも注目すると、家族の守護を願う構成が見えてくる。
制作背景
ブルッヘ市立美術館は、画面の銘文に基づいて1484年と記録する。注文主のヴィレム・モレールはブルッヘの有力市民で、妻バルバラ・ファン・フランデレンと子どもたちも描かれている。三連画は家族の信仰と記憶を残す役割を持った。現在はグルーニング美術館にあり、施療院の作品とは所蔵場所が異なることにも注意したい。
出典・画像について
画像:Hans Memling《モレール家の三連祭壇画》/Wikimedia Commons
画像: Wikimedia Commons。Public Domain Mark / Wikimedia Commons。背景除去・その他の改変なし。
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