マールテン・ファン・ニューウェンホーフェの二連画
画家 ハンス・メムリンク →Diptych of Maarten van Nieuwenhove / ブルッヘ市立美術館・聖ヨハネ施療院
左に聖母子、右に手を合わせた青年マールテンが描かれる。
何が描かれているか
左に聖母子、右に手を合わせた青年マールテンが描かれる。二枚を開いて並べると、青年が同じ室内で聖母子に向かって祈るように見える。幼子がマリアの手のリンゴに触れ、青年の背後の窓には水辺と橋がのぞく。画面の端まで見れば、宗教画と肖像画を別々に置いたのではなく、一つの部屋に結びつけた二連画だと分かる。
作品の見どころ
窓枠、敷物、壁の向きが左右をつなぎ、二枚の間を想像で歩けるようにする。聖母の後ろの丸い鏡には室内の別の角度が映り、小さな絵の中にさらに空間が広がる。青年の赤い上着と黒い衣、マリアの赤と青も響き合う。掲載画像は実物の額と蝶番が見える写真で、左右を離した合成画像では分かりにくい立体的な作りも伝える。
制作背景
額の銘文には1487年と、注文主マールテンが23歳だったことが記される。ブルッヘ市立美術館によれば、額と蝶番は当時のものが残る。窓の外にはブルッヘのミンネワーテルに架かる橋が描かれている。リンゴや鏡の意味は単なる室内の道具より深いが、目に見える構成を確かめたうえで、信仰を身近な空間に置く絵として読むとよい。
出典・画像について
画像:Hans Memling《マールテン・ファン・ニューウェンホーフェの二連画》/Alexey Yakovlev
画像: Alexey Yakovlev。CC BY-SA 4.0。背景除去・その他の改変なし。
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