トンマーゾとマリア・ポルティナーリの肖像
画家 ハンス・メムリンク →Tommaso and Maria Portinari / メトロポリタン美術館(ニューヨーク)
左にトンマーゾ、右にマリアがいて、二人とも手を合わせる。
何が描かれているか
左にトンマーゾ、右にマリアがいて、二人とも手を合わせる。今は肖像画が二枚並ぶが、もとは中央に聖母子を置いた三連画の両翼だった。二人の視線と祈る手は中央へ向かうように描かれ、失われた部分の存在を想像させる。マリアの飾りと長い黒い頭飾り、トンマーゾの落ち着いた黒衣を比べると、同じ祈りの姿でも二人の個性がはっきり見える。
作品の見どころ
二人の前には額縁のような描かれた縁があり、人物がそこから前へ出てくるように見える。トンマーゾの顎のひげや小さな傷、マリアの首飾りや薄い布は、近づくほど細かい。黒い背景が顔と手を浮かび上がらせ、祈りの身振りに目を集める。額縁は実物の縁だけでなく絵の中にも描かれており、平らな板の上で奥行きと手前を行き来させる。
制作背景
トンマーゾはブルッヘにあったメディチ銀行の支店長で、フィレンツェ出身の商人だった。メトロポリタン美術館は1470年のマリア・バロンチェッリとの結婚の頃に注文した可能性を示す。二人を夫婦の肖像として見るだけでなく、祈るための祭壇画の一部として見ることが大切だ。失われた中央画の具体的な姿は確定できないため、現在の二枚から描写を作り足してはいけない。
出典・画像について
画像:Hans Memling《トンマーゾとマリア・ポルティナーリの肖像》/The Metropolitan Museum of Art
画像: The Metropolitan Museum of Art。Public Domain / The Met Open Access。背景除去・その他の改変なし。
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