アドリアーン・レインスの三連祭壇画
画家 ハンス・メムリンク →Triptych of Adriaan Reins / ブルッヘ市立美術館・聖ヨハネ施療院
中央では十字架から下ろされたキリストの体を、マリアや弟子たちが囲む。
何が描かれているか
中央では十字架から下ろされたキリストの体を、マリアや弟子たちが囲む。左翼には黒衣の注文主が守護聖人のそばで祈り、右翼には女性の聖人が立つ。外側の人物は中央の出来事に手を伸ばせないが、三枚を開くと同じ祈りの場に置かれる。中央の白い布と横たわる体を先に見つけ、左右の翼へ目を移すと、個人の祈りと聖書の場面の関係が分かりやすい。
作品の見どころ
死んだキリストの淡い肌と、周囲の深い赤や暗い衣の違いが印象に残る。マリアの身をかがめる姿勢、背後に立つ人物の手、右側の女性の静けさが、同じ悲しみの中に異なる反応を作る。三連画の木枠と蝶番も画像に含まれ、左右を閉じられる物であったことを示す。大きな身振りだけでなく、人物同士の距離を見ると画面の緊張が伝わる。
制作背景
ブルッヘの聖ヨハネ施療院に伝わる1480年の祭壇画で、アドリアーン・レインスの注文に結びつく。所蔵館は中央の主題をキリストの哀悼として扱う。翼の人物を現在の肖像画のように切り離して見るより、祭壇画を開いた状態で中央へ向けられた祈りとして見る方が制作時の役割に近い。外側には別の聖人像も描かれており、閉じた姿も作品の一部である。
出典・画像について
画像:Hans Memling《アドリアーン・レインスの三連祭壇画》/Wikimedia Commons
画像: Wikimedia Commons。Public Domain Mark / Wikimedia Commons。背景除去・その他の改変なし。
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