1542–1545年(バチカンの礼拝堂史による)
67〜70歳

聖パウロの回心(サウロの回心)

画家 ミケランジェロ・ブオナローティ
Conversione di Saulo / パオリーナ礼拝堂(バチカン宮殿)
倒れた人の顔を、上からの光が照らしている。描かれているのはサウロ、つまりパウロである。回心とは、ここではキリストへの信仰へと導かれること。難しい題名を先に覚えるより、光と顔との関係を見てみたい。人の内側で起こる信仰の転換を、この絵は身体と光のある場面として見せている、と読むことができる。光をたどることが、主題を知る入口になる。

何が描かれているか

地面に倒れたサウロの顔へ、上から光が届く。サウロは後のパウロで、弟子たちを捕らえに向かう途中、キリストへの信仰に導かれる場面である。
『使徒言行録』9章では、彼は天からの光に包まれてイエスの声を聞き、洗礼を受ける。その後は、それまで敵対していたイエスについて人々に語り始める。

作品の見どころ

倒れた身体と光の届く顔を結ぶと、事故ではなく、生き方の方向が変わる場面だと分かる。光と身体の関係が、信仰の転換を目に見える形にしている。
設置場所はパオリーナ礼拝堂で、向かいには《聖ペテロの磔刑たっけい》がある。祈る人は、信仰へ導かれる場面と殉教の場面の間に立つことになる。二つは別々の画像としてだけでなく、向かい合う壁と、その間に立つ人を含む空間として計画されている。

制作背景

教皇パウルス3世のもとで建てられた礼拝堂に、1542年末から1545年7月に描かれた。教皇の名と主人公パウロは別の人物である。
2009年の修復では、油とほこりの層を除いて鮮明な色が確認された。古い複製ふくせいの暗さを、そのまま画家の心理に結びつけることはできない。

作品情報

制作
1542年末–1545年7月(バチカンの礼拝堂史)
所在
パオリーナ礼拝堂(バチカン宮殿)
向かい側
《聖ペテロの磔刑》
画像
Web Gallery of Art由来の全景複製

出典・画像について

表示画像はWikimedia CommonsのPD-Art複製です。米国外では忠実複製の扱いに法域差があり得ます。
画像:ミケランジェロ聖パウロの回心(サウロの回心)》/Michelangelo, The Conversion of Saul, Pauline Chapel. Reproduction: Web Gallery of Art, via Wikimedia Commons. PD-Art / Public Domain Mark 1.0; jurisdiction note applies.
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0(法域注意)(画像情報:2026-09-05 確認)
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