1660年頃
27〜28歳

牛乳を注ぐ女

画家 ヨハネス・フェルメール
Het melkmeisje / アムステルダム国立美術館
フェルメールが残した絵は多くない。マウリッツハイスによれば、1点にとても長い時間をかけたので、多くを仕上げなかった。同館が真作として挙げるのは36点である。その少ない仕事の中に、女中が牛乳を注ぐという、ごく当たり前の家事を描いた絵がある。台所に差す光と、注がれる白い筋。それだけで、これほどの絵になっている。

何が描かれているか

台所で、女中がつぼから鉢へ牛乳を注いでいる。仕事に完全に没入している。アムステルダム国立美術館の説明はこうだ。注がれている牛乳の筋のほかは、すべてが静止している。
机の上にはパンの入った籠と土器の水差し。左には窓があり、その脇に籐の籠と真鍮の鍋が掛かる。右手の壁の下にはタイルが一列並び、足元に足温器が置かれている。

作品の見どころ

主題はごく当たり前の家事である。牛乳を注ぐ、それだけだ。フェルメールはその日常の一場面を、堂々とした絵の主題に変えた。館はそこを、この絵の要として挙げている。
17世紀のオランダでは、女中を描いた絵は珍しくなかった。ただし多くは滑稽な話や色恋の含みを持たせるためのものだった。この絵にはそれが無い。あるのは、注ぐという一つの動作と、そこに落ちる光だけである。

制作背景

最初の持ち主は、同じデルフトに住んでいたピーテル・クラースゾーン・ファン・ライフェンとみられる。フェルメールの絵をまとめて持っていた人である。
絵は娘のマグダレーナへ、さらにその夫ヤコブ・ディシウスへと渡り、1696年5月16日、アムステルダムの競売にかかった。175ギルダーで落ちている。1719年の競売では126ギルダーまで下がった。

作品情報

寸法
45.5 × 41 cm
材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
アムステルダム国立美術館
目録
SK-A-2344

出典・画像について

画像:ヨハネス・フェルメール牛乳を注ぐ女》/Rijksmuseum, Amsterdam
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-09-03 確認)
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