何が描かれているか
四人の少女が夕暮れの庭で落葉を集め、山から煙が立つ。右端の少女はリンゴを持つ。
具体的な物語の事件はなく、暗くなり始めた空と落葉の色が場面を支配する。
焚き火そのものは見えず、山を背に煙だけが立ち上る。誰も大きな動作をせず、少女同士の視線もほとんど交わらないため、具体的な事件より、葉を集める反復と日が暮れていく時間そのものが画面を支配する。
作品の見どころ
燃える葉の煙、夕空、少女たちの沈んだ表情が、秋から冬へ移る感覚を作る。
人物を正面近くに並べながら視線を交わさせず、静かな間を保つ。
空と煙を見てから、落葉と人物へ視線を下げると、すべてが上へ消えたり土へ戻ったりする途中にあると感じられる。秋を鮮やかな色だけでなく、失われる時間として捉えたところに静かな深さがある。
制作背景
1856年制作。ミレイが文学や宗教の物語から離れ、季節と感情を結びつけた作品である。
ラファエル前派的な細部は残るが、意味を一つに限定しない点に作風の変化が見える。
1856年に完成し、同年のロイヤル・アカデミー展へ出品された。文学や聖書の一場面を示す題名を離れ、光、色、姿勢がまとまって生む感情を前面に出した作品である。煙、枯葉、リンゴから季節や生の循環を読めるが、意味は一つに固定されない。
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荒川裕子 / 東京美術
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