1860年
31歳頃

黒衣のブランズウィック兵

画家 ジョン・エヴァレット・ミレイ →
The Black Brunswicker / レディ・リーヴァー・アート・ギャラリー
黒と白の衣服、扉へ伸びる手が、別れの前の一瞬を形にする。

何が描かれているか

黒い軍服の男性と、白いドレスに赤いリボンをつけた女性が、扉の前で寄り添っている。男性は片手を扉へ伸ばし、女性は胸元へ手を置いている。足元には小さな犬、背後の壁には騎馬像の絵が掛かる。二人の距離は近いが、扉へ向かう腕と相手へ向く顔の間に、立ち去ろうとする動きと引き止める動きが同時に見える。

作品の見どころ

軍服の黒とドレスの白が隣り合うところから見たい。暗い服は形をまとめ、白い服の折り目は細かな光を受けて揺れる。その間の赤いリボンが、女性の胴と男性の手へ目を集める。扉の硬い縦線に対し、二人の腕は斜めに重なっている。大きな身ぶりを描かず、触れる手と布の明暗だけで、別れの前の張りつめた間を感じさせる。

制作背景

1860年の油彩ゆさいで、レディ・リーヴァー・アート・ギャラリーに収蔵される。所蔵情報を掲載するVictorian Webは、1922年にリーヴァーヒュームの私蔵から移管されたと記す。テートにも同名の鉛筆習作しゅうさくがあるが、ここで見るのは油彩の完成作。文学や歴史の知識がなくても、衣服の色と二人の手の動きを手がかりに場面を読み取れる。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩
所蔵
レディ・リーヴァー・アート・ギャラリー
目録番号
LL3643
寸法
104 × 68.5 cm

出典・画像について

画像:John Everett Millais《黒衣のブランズウィック兵》/John Everett Millais《黒衣のブランズウィック兵》/Wikimedia Commons(個別ファイルの忠実複製)
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-10-01 確認)
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