三姉妹の肖像にカード遊びを重ね、視線と手から社交の関係を読む。
何が描かれているか
華やかな服の三人の女性が、緑色のカード卓を囲んでいる。左には白い花が広がり、右には暗い屏風のような背景がある。三人は似た衣服を着るが、顔の向きもカードを持つ手も違う。テートによれば、エリザベス、ダイアナ、メアリーの三姉妹。題名の「切り札」はカード遊びの言葉で、ハートの札を強く扱うことを示している。
作品の見どころ
卓上のカードと三人の視線を順に追ってみたい。白い花や淡いドレスの細かな模様が豊かに重なり、中央の緑色の卓が人物の手を結ぶ。装飾が多くても、顔の間には小さな距離が保たれる。ハートには恋愛を連想させる意味もあるため、単なる遊戯の記録から、互いの出方を気にする社交の場へ読み方が広がる。
制作背景
1872年の油彩で、父ウォルター・アームストロングが娘たちの肖像をミレイへ注文した。テートの館内解説は、題名とゲームが、誰が先に結婚するかという競争も暗示すると説明する。これは館の解釈であり、画中の本人たちの考えを断定するものではない。人物の姿を記録する肖像と、身ぶりから関係を読ませる場面の絵が重なっている。
出典・画像について
画像:John Everett Millais《ハートが切り札》/John Everett Millais《ハートが切り札》/Wikimedia Commons(Tate/Google Art Project由来)
忠実な二次元複製の権利の扱いは国・地域で異なります。Commonsの個別表示では、テートが英国でこの複製画像の権利を主張している旨も記されています。原作品の保護期間と、美術館・配布元の写真の利用条件を区別しています。
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この画家について本で読む
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荒川裕子 / 東京美術
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