赤い制服の威厳と年老いた顔を、明暗の大きなまとまりで見せる肖像。
何が描かれているか
赤い制服と黒い帽子を着た白ひげの男性が、椅子に座っている。片手は杖を握り、もう片方の手には小さな紙がある。胸には勲章が並び、白いひだ襟が顔の下を囲む。背景は暗く、斜め上には飾りのついた長い柄の道具が見える。服装の華やかさがまず目に入るが、男性の横向きの顔や、手の静かな置き方にも注目できる。
作品の見どころ
制服の赤から白いひげ、手袋へと明るい部分をたどりたい。金色の飾りや勲章は細かく描かれる一方、背景の暗さは大きな面として人物を支える。袖と脚に繰り返される赤い形が、座る姿を画面いっぱいにまとめている。威厳を示す衣装と、その中の年老いた顔を見比べると、公的な役目と一人の人間の時間が同じ肖像に重なる。
制作背景
1876年の油彩で、モデルはジョン・チャールズ・モンタギュー。テートによれば、第16槍騎兵連隊に属してインドで20年以上勤務し、1847年の退役後に衛兵に任命された人物である。ミレイは架空の英雄ではなく、経歴を持つ実在の男性を描いた。制服の種類を知らなくても、勲章と年齢の見える顔から、その人が積み重ねた年月へ目を向けられる。
出典・画像について
画像:John Everett Millais《衛兵》/John Everett Millais《衛兵》/Wikimedia Commons(Tate/Google Art Project由来)
忠実な二次元複製の権利の扱いは国・地域で異なります。Commonsの個別表示では、テートが英国でこの複製画像の権利を主張している旨も記されています。原作品の保護期間と、美術館・配布元の写真の利用条件を区別しています。
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