1857年
42歳頃

落穂拾い

画家 ジャン=フランソワ・ミレー
Des glaneuses / オルセー美術館
収穫後に残った穂を拾う三人を、低い視点から記念碑のように描く。豊かな収穫の遠景との距離が社会の差を伝える。

何が描かれているか

三人の女性が刈り入れ後の畑で、地面に残った穂を一本ずつ拾う。
遠景では積みわら、荷車、大勢の働く人々が豊かな収穫を運んでいる。左の女性は穂を探し、中央は拾い、右は少し身体を起こしてたばを持つ。似た姿勢をわずかにずらして並べることで、同じ作業が時間を追って続くように見える。

作品の見どころ

三人の背中と腕が反復し、腰を曲げ続ける仕事の重さを伝える。
手前の人物を大きく、豊かな収穫を遠く小さく置くことで、二つの世界の距離を作る。夕方の光は肩、背中、手を明るくし、丸みのある身体を手前へ押し出す。遠景は金色のかすみへ薄れ、騎馬の監督者らしい人物も小さいため、三人との距離は空間と社会の両方で意識される。

制作背景

1857年作で同年のサロンに出品された。落穂拾いは収穫後の残りを貧しい人が集める慣習だった。
現在はオルセー美術館所蔵。革命を直接描いた絵ではないが、当時の批評には農民の存在を脅威と見る反応もあった。落穂拾いは刈り入れ後に残った穂を集める慣習であり、豊かな収穫を所有する場面とは異なる。政治的な標語を描いた作品と断定せず、前景と遠景の差が当時どう受け取られたかを分けて考える。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
所蔵
オルセー美術館
目録番号
RF 592

出典・画像について

出典:オルセー美術館 作品記録・解説2026-09-12 確認)
画像:Jean-François Millet落穂拾い》/落穂拾い — Jean-François Millet / Wikimedia Commons
画像の出典 / Public Domain Mark(画像情報:2026-09-12 確認)
Public Domain表示の忠実な複製画像です。扱いは国・地域によって異なります。
間違いを見つけたら、教えてください →