1841年
26〜27歳頃

ルイーズ=アントワネット・フアルダンの肖像

画家 ジャン=フランソワ・ミレー →
Portrait of Louise-Antoinette Feuardent / J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)
飾りの少ない背景に、静かな視線と指輪を見せる手。農民画で知られる前のミレーが描いた、一人の女性。

何が描かれているか

暗い服と白い襟を身につけた女性が、体を少し横へ向けてこちらを見ている。背景は落ち着いた褐色かっしょくで、家具や景色は描かれない。顔と襟、画面の下に置かれた手が、明るく見える。
モデルはルイーズ=アントワネット・フアルダン。シェルブールの図書館で働いた、ミレーの長年の友人フェリックス=ビエナメの妻だ。結婚してまもない姿が描かれ、左手には結婚指輪が見える。

作品の見どころ

まず目線と口元を見てから、白い襟の細かな模様へ目を移してみたい。華やかな色を重ねる代わりに、明るい肌、暗い服、褐色の背景の差が、顔と体の形をはっきりさせている。
指輪のある手は、顔と並んで人物を知る手掛かりになる。手の位置や服の輪郭りんかくをたどると、画面の中で目立つ物が少ない分、一つずつの形が落ち着いて見えてくる。豪華な装飾がなくても、肖像は個人を伝えられる。

制作背景

1841年の油彩ゆさいである。ミレーは農民の生活を描く絵で広く知られる以前、肖像画を描いて生計を立てていた。この作品は、その初期の仕事を知る例になる。
後年の《種まく人》や《落穂拾い》と違い、ここでは一人の顔と手に向き合う。農作業の画家という印象だけでなく、身近な人を描くミレーも見てみたい。

作品情報

材質・技法
油彩・カンヴァス
所蔵
J・ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス)
目録番号
95.PA.67
位置づけ
農民画以前の肖像画家としての仕事

出典・画像について

画像:Jean-François Millet《ルイーズ=アントワネット・フアルダンの肖像》/ルイーズ=アントワネット・フアルダンの肖像 — Jean-François Millet / J. Paul Getty Museum
画像の出典 / CC0 1.0(画像情報:2026-10-08 確認)
所蔵館の全景画像。一覧は等比縮小。
間違いを見つけたら、教えてください →

実物を見に行く

まずは国内の美術館から。公式の展示情報を見ながら、行きたい場所を探せます。
国内の美術館を探す →
展示替え・貸出などで作品が展示されていない場合があります。訪問前に展示・開館日・入館方法をご確認ください。