何が描かれているか
荒れた畑で一人の農夫が鍬に寄りかかり、口を開けて息をつく。
背後には燃やした雑草の煙と、さらに働く人影が見える。男は両手を鍬の柄へ重ね、上半身の重みを預ける。開いた口、沈んだ肩、汚れた服は休息の短さを感じさせ、背後の煙と小さな働き手は作業がまだ続くことを示す。
作品の見どころ
疲れた身体を画面の中央へ大きく置き、整った英雄の姿にはしない。
粗い土、傷んだ服、重い鍬を近い褐色で結び、人物と土地を一体に見せる。低い地平線によって頭と鍬が空へ突き出し、人物は実物以上に大きな存在として迫る。一方、顔立ちや衣服は理想化されず、凸凹した土と同じ粗い表面で描かれている。
制作背景
1860〜1862年作。1863年のサロンで公開され、農夫の荒々しい姿が論争を呼んだ。
現在はJ・ポール・ゲティ美術館所蔵。貧困を美化するより、労働の身体的な負担を正面から見せる。1863年のサロンでは、この身体の荒々しさや主題の扱いが議論になった。現在の価値観だけで英雄像とも悲惨さの見世物とも決めず、当時の農民表現の規範から外れた点を押さえる。