何が描かれているか
雨上がりの果樹園に虹がかかり、木々と畑へ斜めの光が差す。
暗い雲、まだ降る雨、明るい空が同じ瞬間に重なる。前景には低い柵と濡れた道があり、その奥に花をつけた果樹が並ぶ。左から差す光が幹と地面の一部だけを照らし、虹は暗い雲と明るい空の境をまたいでいる。
作品の見どころ
前景の木を暗い輪郭にし、奥の光る地面と虹をその間から見せる。
天候を一つの色へ整えず、雨、雲、夕日が移り変わる途中を描く。黒く沈む木々を額縁のように使いながら、中央奥には黄色く光る畑を開く。雨脚を示す細い線、動く雲、虹、夕日が同居し、天気が変わる一瞬を複数の光で見せる。
制作背景
1868〜1873年作。四季を表す連作の一つとして注文された。
現在はオルセー美術館所蔵。晩年のミレーが人物だけでなく、土地を変える光と天候へ強く関心を寄せたことが分かる。四季連作の一作であることは、単なる季節の見本という意味ではない。人の姿をほとんど目立たせず、同じ土地が雨と光によって大きく姿を変えることを主題にしている。