青い線が身体を大きな曲線へ変えていく素描。紙の空白と描き直しの跡にも、彫刻へ向かう形の探求が見えます。
何が描かれているか
両腕を上げ、頭を横へ傾けた女性の身体が、青い線で囲まれている。頭、肩、胸、膝は、大きな丸みを持つ形へと整理されている。人物の内側も背景も、黄みのある紙の色が広く残っている。
顔には、目や口を細かく描いた肖像のような表情はない。腕と首の間には青く塗られた部分があり、身体の隙間を小さな形として示している。膝の輪郭は、大きな楕円に近く見える。
作品の見どころ
青い線をゆっくりたどると、身体の外側を囲む線に濃淡がある。人物の内側には、もっと薄い鉛筆の線が残る。完成した輪郭だけを見るのでなく、線が重なるところにも注目すると、形を探る途中の動きが伝わってくる。
同名のシカゴ所蔵の水彩では身体に淡い色が広がるが、本作は線と紙の空白が主役になっている。彩色の少なさによって、肩から腰へ続く曲線をまとまりとして捉えやすい。
制作背景
所蔵館は制作年を1913〜1915年頃、画材を青と黒のクレヨンと鉛筆としている。これは、女性の姿を建物の支柱にしたカリアティードの構想に関わる紙作品だ。
モディリアーニはカリアティードを並べる建築を構想したが、その建物は実現しなかった。実際の柱の記録図ではなく、身体の形を組み立てるための案として見るとよい。
出典・画像について
画像:Amedeo Modigliani《カリアティード(青いクレヨン・メルボルン版)》/Caryatid, 1913〜1915年頃 — Amedeo Modigliani / National Gallery of Victoria / Google Art Project / Wikimedia Commons
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