キュビスムの画家フアン・グリスを描いた肖像。少ない輪郭線と左右のずれで、顔の傾きを際立たせています。
何が描かれているか
黒い髪の男性が、細長い顔を画面の左へ傾けている。モデルはスペイン出身の画家フアン・グリスだ。黒い服の胸元から、白いシャツが小さくのぞく。暗い背景と服がつながり、黄褐色の顔が目立っている。
左右の目は同じ高さに並んでいない。眉の角度にも違いがあり、鼻の細い線は少し曲がりながら口元へ向かう。真正面の顔を左右対称に描くのでなく、傾きとずれを残した人物像になっている。
作品の見どころ
髪、顔、服、背景は、大きな色のまとまりとして捉えられる。顔の内側を見ると、鼻や唇の形は少数の黒い線で示されている。細かな陰影で立体を再現する代わりに、輪郭の曲がりが顔の向きを伝えている。
首は長く、白い胸元へ向かって斜めに伸びる。顔から首、シャツへ続く明るい部分をたどると、黒い服の中でも身体の軸が見えてくる。表情を決めつけず、線のわずかな違いに注目したい。
制作背景
本作は1915年の油彩。グリスは、物の形を幾何学的に組み替えるキュビスムで知られる画家だった。
メトロポリタン美術館は、モディリアーニの単純な輪郭や細長い形を、それ以前の彫刻制作と結び付けて説明している。友人の肖像も、顔の形を組み立てる探求の一つとして見ることができる。
出典・画像について
画像:Amedeo Modigliani《フアン・グリス》/Juan Gris, 1915年 — Amedeo Modigliani / The Metropolitan Museum of Art / Wikimedia Commons
Open Access/CC0。取得した全景を長辺2400px以内に等比縮小。切り抜き・色補正・透過・生成AI処理なし。紙地・台紙・署名・画面内の背景を保持。
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