彫刻家と詩人の夫婦を一つの画面に収めた肖像。前後に置いた身体と、二人の顔の違いを見比べられます。
何が描かれているか
彫刻家ジャック・リプシッツと妻ベルトを描いた二人の肖像だ。ベルトはロシア出身の詩人だった。赤褐色の上着を着たジャックは、黒い服のベルトの後ろに立っている。二人の顔は、画面の上下にずれて並ぶ。
ベルトの白い襟は左右に開き、顔の下を明るく縁取る。ジャックの胸元は暗い青緑で、顔から服へ続く長い形を作っている。背後には縦の区切りがあり、人物の輪郭と重なって見える。
作品の見どころ
同じ画家の二人の肖像でも、顔は同じ形にそろえられていない。ジャックの鼻は長く直線的で、ベルトの顔には丸みが残る。目や口の線の違いを比べると、簡潔な描き方の中にも二人の区別があることが分かる。
夫婦は肩の近くで重なり、二つの身体が一つの縦長のまとまりになる。服の赤褐色と黒、白い襟の対比が、前後の位置を読み取る手掛かりになっている。
制作背景
シカゴ美術館によると、ジャックは1916年、ベルトとの結婚に際して友人のモディリアーニに本作を依頼した。
同館の解説は、制作の依頼に画家への経済的な援助という意味もあったと伝えている。リプシッツの回想では、短時間で仕上がった絵にさらに手を加えるよう頼んだという。友人を描いた絵には、仕事を支える人とのつながりもあった。
出典・画像について
画像:Amedeo Modigliani《ジャックとベルト・リプシッツ》/Jacques and Berthe Lipchitz, 1916年 — Amedeo Modigliani / Art Institute of Chicago, Helen Birch Bartlett Memorial Collection
Open Access/CC0。取得した全景をそのまま使用。切り抜き・色補正・透過・生成AI処理なし。紙地・台紙・署名・画面内の背景を保持。
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