パレットを手にした画家自身の姿。斜めの身体とこちらへ向く顔、上着に残る細い筆の跡を見てみましょう。
何が描かれているか
赤褐色の上着を着たモディリアーニ自身が、椅子に腰かけている。身体は画面の左へ向き、顔はこちら側へ振り返るように見える。左端には絵の具の付いたパレットが入り、制作をする人としての姿が示されている。
顔は細長く、目は細い線で描かれる。灰青色の大きな襟が首を囲み、頭と赤い上着の間を区切っている。椅子の背の細い赤褐色の線は、右側の明るい壁の前に見える。
作品の見どころ
顔のなめらかな色と、上着に残る縦の細い筆の跡を比べてみよう。布の表面には濃淡が重なり、顔よりも絵の具の動きが見えやすい。壁は大きな色の面と線で簡潔に区切られ、身体の傾きが目立っている。
パレットの白や黒の絵の具は、服の赤褐色とは違う小さな色のまとまりになっている。画面の端に寄せられた道具と中央の顔を行き来すると、画家が自分の容貌と仕事の手掛かりを同じ画面に収めたことが分かる。
制作背景
サンパウロ大学現代美術館は、本作を1919年制作の《自画像》として記録している。画家は翌1920年に没しており、晩年に描かれた作品にあたる。
本作はヨランダ・ペンテアードとフランシスコ・マタラッツォ・ソブリーニョが寄贈した。細い目を特定の心理と結び付けず、姿と画材の描き方を見たい。
出典・画像について
画像:Amedeo Modigliani《自画像(1919年)》/L’Auto-Portrait, 1919年 — Amedeo Modigliani / The Yorck Project / Wikimedia Commons
Public Domain表示の画像です。複製画像の扱いは国・地域で異なります。取得した全景をそのまま使用。切り抜き・色補正・透過・生成AI処理なし。紙地・台紙・署名・画面内の背景を保持。
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マチルデ・バッティスティーニ 著/橘屋株式会社 訳 / 昭文社
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