抽象画を進めていた時期にも、木や水辺の風景を描いていたことが分かる。
何が描かれているか
運河の向こうに農場の建物が見え、その手前に枝を広げた木々が並ぶ。水面には幹や枝、建物の形が映り、画面の上と下をつなぐ。空や水辺の明るい色に対して、木の黒っぽい輪郭がはっきり浮かび上がる。建物だけを主役にするのではなく、枝の重なりと映り込みが眺めの印象を決めている。
作品の見どころ
枝を一本ずつ眺めると、曲がった線が左右へ伸び、建物を覆うように画面を埋めている。水面ではその形が繰り返されるが、上下が完全に同じにはならず、色や線の強さが変わる。《灰色の木》の枝を分解した描き方と比較すると、こちらには土地や建物として認識できる形が残る。風景画と抽象画を別々の箱に分けず、線の配置という共通点から見ることもできる。
制作背景
シカゴ美術館は制作年を1916年頃とする。この農場を描くための素描は1905年頃に始められ、関連する絵の一部は第一次世界大戦期にも制作された。同館は、自然を描く作品を好む購入者への対応が理由だった可能性を示している。抽象化が進んだ後にも具象的な風景を描いており、様式の変化が一直線だったと思い込まないための作品。
出典・画像について
画像:ピート・モンドリアン《ドゥイフェンドレヒト近郊の農場》/The Art Institute of Chicago
所蔵館がCC0で提供する全景画像をCommonsの同館由来ファイルから取得。
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