何が描かれているか
菱形の画面に、赤、黄、青、白などの小さな四角と、大きな色の面が入り交じる。黒い線で区切る格子はなく、色の並びそのものが縦横のつながりを生む。長く続く帯のように見えるところもあれば、途中で大きな面へ変わるところもある。全体を均等に埋めず、密な部分と開いた部分を組み合わせている。
作品の見どころ
《ブロードウェイ・ブギウギ》と比べると、黄色い道のような格子が目立たなくなり、大小の色がより複雑につながる。近くでは、絵具だけでなく色付きのテープや紙も使われていることに注目したい。これらは展示のために貼られた飾りではなく、制作過程を残す作品の一部。完成した模様として眺めるだけでなく、色の位置を置き直す試みの痕跡として見ることができる。
制作背景
1942〜1944年に制作された最終作で、モンドリアンは完成させる前に亡くなった。美術館の解説によれば、ほぼ完成と語った後にも構成を大きく変更し、入院直前まで手を加えていた。題名の「勝利」を、戦争が終わった後の記念として読むのは時期が合わない。作品はオランダ国に属し、デン・ハーグ美術館で長期寄託により展示されている。