1879年
38歳頃

死の床のカミーユ

画家 クロード・モネ →
Camille sur son lit de mort / オルセー美術館(パリ)
亡くなった妻の顔を、紫や灰色が重なる筆跡で描いた私的な肖像。

何が描かれているか

横たわる女性の顔が、白い布と紫がかった寝具の間に見える。描かれたのはモネの最初の妻カミーユ・ドンシュー。目を閉じた顔や体の輪郭りんかくは、紫、灰色、白の細かい筆跡に包まれている。部屋の家具や壁は詳しく示されず、視線は顔とその周囲へ向かう。亡くなった妻を描いた肖像である。

作品の見どころ

まず顔の位置を確かめ、それから周囲の布へ目を移してみる。輪郭を一本の線で囲まず、明るい色と暗い色の重なりによって顔が浮かび上がる。斜めに走る筆跡が顔と寝具の両方に続き、画面全体が揺れて見える部分もある。紫の中には青や淡い赤も交じり、白い布にも複数の色が見つかる。何が描かれているかを知ったうえで色を追うと、静かな横顔と動きのある筆跡の違いを感じられる。

制作背景

カミーユは1879年9月5日に32歳で亡くなった。ビクトリア国立美術館の年表は、モネが死後の妻を描いたと説明する。画家は当時38歳頃で、本作は現在オルセー美術館に所蔵される。花畑や庭などの屋外の作品と並べて見ると、身近な人物の死にも同じように色と筆跡で向き合ったことが分かる。画家の心情は断定せず、画面の色と形を確かめたい。

作品情報

材質・技法
カンヴァスに油彩ゆさい
寸法
90 × 68 cm
所蔵
オルセー美術館(RF 1963 3)
描かれた人物
画家の最初の妻カミーユ・ドンシュー

出典・画像について

画像:Claude Monet《死の床のカミーユ》/Claude Monet / Wikimedia Commons — Public Domain Mark 1.0 (PD-Art)
画像の出典 / Public Domain Mark 1.0 / Commons個別ファイル(画像情報:2026-09-30 確認)
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